ChatGPTを活用したSNSマーケティング。初心者でもわかる基本的な利用法・注意点を解説します。

ChatGPTをはじめとした生成AIは、今注目のビジネスツールのひとつです。すでに導入する企業も増えてきており、SNSを中心としたマーケティングの分野でも活用され始めています。日々進化し続ける生成AIは、企業規模や業界を問わず幅広く活用できる点も大きな特徴です。ChatGPTでできるSNSマーケティングの基本を、ぜひこの機会に理解しておきましょう。
本記事では、SNSマーケティングにおけるChatGPTの基本的な利用法や注意点を、初心者の方でも分かるように解説します。
ChatGPTとは?

まずは、ChatGPTとはどのようなモノであるかを簡単に解説します。代表的な活用方法や活用のメリットもご参考ください。
ChatGPTの概要
ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、アメリカのOpenAI社が提供している生成AIを活用したチャットサービスです。GPTは「Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ プリトレインド トランスフォーマー)」の略で、「学習データをもとに変換して文章等を生成する」システムであることを表しています。
ChatGPTが注目され始めたのは、2022年11月にリリースされた「ChatGPT-3.5」の頃が始まりです。リリース開始から年々アップデートされ、2024年1月にプレビュー版を公開した頃から、ビジネスでの活用が急速に増え始めました。2025年には「ChatGPT-4o」のアップデートによって、画像生成に関する機能も大幅に向上。近年では、写真をジブリ風やドラゴンボール風などのイラスト生成にできることも、SNSなどで話題を呼びました。
画像生成を始めとしたさまざまなChatGPTの機能は、日々進化を続けています。マーケティング分野でも活用する企業が増えてきていることを踏まえると、今後のビジネスには欠かせない、重要なツールのひとつになることが予想されます。
ChatGPTでできること
ChatGPTを使えば、文書作成・要約・添削・翻訳・相談や壁打ち・情報抽出・データの集計・分析・整理プログラミングの補助・画像生成・動画作成などさまざまな業務を任せることができます。活用の最大のメリットは、必要な作業の一端を任せることで、業務の効率化を図れることです。本来は人が行っていた作業を任せられるため、人手不足を補いながら、より質の高い仕事を目指すことができます。
ちなみに、ChatGPTはユーザーの指示・依頼をもとに作業を行うため、「できること」は「依頼の質」に左右される特徴があります。そのため、ChatGPTの正確性を向上させ、任せる業務範囲を広げるためには、担当者の知識や経験こそが何より重要です。ChatGPTの進化とともに、使う側の進化が必要であることも理解しておく必要があります。
ChatGPTの利用方法
では、ChatGPTの具体的な利用方法について解説します。
アカウント登録
まずは下記ChatGPT公式サイトにアクセスし、アカウント登録を行います。ページ内にある「ログイン」をクリックし、「新規登録」にてアカウントを作成しましょう。英文で表示される場合は、翻訳機能を活用して日本語に変換すると、登録が進めやすくなります。
アカウント情報を入力すると、電話番号・メールの認証が行われます。認証の結果問題が無ければ、すぐにChatGPTを利用することが可能です。
プロンプトを作成・入力
実際にChatGPTを使う場合は、ユーザーからの指示や質問が必要になります。ユーザーからの指示や質問は「プロンプト」と呼ばれることが一般的です。「○○の情報について簡単に教えて」や「300文字程度で東京のいいところを教えて」など、まずは簡単なプロンプトを試すことから始めてみてください。
内容の確認・修正
プロンプトを入力すると、ChatGPTは依頼内容に従って文章や画像の生成を行います。生成された文章や画像を一通りみて、求めていた内容であるかを確認することも大切な作業です。必要に応じて修正を行えば作業は完了となります。
無料と有料プランはどっちを選ぶ?
ChatGPTには、無料プランと有料プランが提供されています。最初は無料プランで試してみることをおすすめしますが、本格的に利用を始める際は、自社にあったプランの選定が必要です。まずは無料・有料それぞれの特徴を理解しておきましょう。
▶無料プランの特徴
・基本的なチャット機能が利用できる
・応答速度が遅くなる場合がある(混雑時など)
・機能に制限がある(画像生成は1日に3回など)
▶有料プランの特徴
・月額費用が必要
(※ChatGPTPlus/ChatGPTPro=月20$/月200$)
・応答が高速で安定している
最新モデルをいち早く利用できる
新機能・アップデートが早い
プラン選定は、利用頻度や生成物に求める質で決めることをおすすめします。上手く使えば大幅な業務効率化を実現できるため、自社に合ったプラン選定ができれば、有料でもコストパフォーマンスの良さを感じられるものです。まずは無料プランで身近な業務から少しずつ任せ、必要に応じて有料プランを検討することが良策でしょう。
ChatGPTでできるSNSマーケティング

ここからは、ChatGPTで具体的にできる、SNSマーケティングに関する業務をご紹介します。詳細なノウハウなどは別の記事で詳しくご紹介しますので、まずはChatGPTできる範囲を掴んでおきましょう。
市場リサーチ・分析
ChatGPTが持つ膨大なデータをもとにした、市場リサーチや分析を任せることができます。市場把握に必要なSTP分析(Segmentation/Targeting/Positioning)はもちろん、商品比較などを含めた競合調査なども可能です。あくまでWEB上のデータを基にしていることを理解したうえで、参考データとして活用することをおすすめします。
また、マーケティングには欠かせないペルソナの設定を任せることも可能です。自社商品やサービスの概要を読み込ませたうえで、訴求したいペルソナの設定をプロンプトにして伝えます。複数のペルソナも一瞬で生成されるため、ペルソナ案の作成を効率化できるでしょう。
コンテンツ作成
ChatGPTを活用すれば、SNSで発信するコンテンツ自体の作成も任せることができます。たとえば、動画作成やSNS向けの文章作成、それにあわせたイラストや画像の生成なども可能です。インフルエンサーの場合はコンテンツをChatGPTで大量生成していますが、ビジネス利用の場合は質にこだわって活用したいところ。プロンプトの精度高め細かい修正を行いながら、自社の魅力が伝わるコンテンツに仕上げることが非常に大切です。
SEO業務
ChatGPTに対してSEO対策に必要なキーワードを伝え、SEOを考慮したコピーや文章作成を依頼することも可能です。ChatGPTはまだ発展途上と言うこともあり、文書作成時には事実と異なる記載があることも少なくありません。あくまでもSEO文章の文章案として、参考にする程度に留めておくことをおすすめします。
また、Instagramなどの利用に使用する、ハッシュタグなどアイデアだしなども任せられます。上手く使いこなせば、SNSメディアチームのもう一人のメンバーとして充分に活躍してくれるはずです。ChatGPTの理解を深めれば、まだまだできることは沢山あります。少しずつ任せる範囲を増やすことができれば、自社マーケティング業務は大幅に効率化できるでしょう。
ChatGPT利用の注意点と対策

最後に、ChatGPT利用の注意点と対策を解説します。
誤情報が含まれている場合がある
ChatGPTは読み込んだWEB上の情報を基に作業を行うため、生成された文章などに誤情報が含まれている場合があります。ChatGPTの仕組み上避けられないことでもあるため、特性を理解したうえで対策を講じることが大切です。
対策としては生成物を必ず確認し、必要に応じて修正すること。また、できる限り伝わりやすいプロンプトを入力することを心がけます。プロンプトの精度が上がれば誤情報が減り、修正箇所も少なくなるはずです。文書作成を任せる際などには、十分に注意しましょう。
著作権にも注意が必要
ChatGPTが生成したイラストや画像は、著作権ガイドラインを確認したうえで利用する必要があります。ここ数か月の間でも、ChatGPTを使って人物写真をジブリ風イラストに変換することが話題となりましたが、「著作権に触れているのでは」という議論は後追いで進められました。
ChatGPTの進化に法規制が追いついていない部分もあり、同様の事例は今後も起こることが予想されています。ユーザー側でできる対策としては、著作権に触れないよう固有名詞を使ったプロンプトを避けたり、生成物の著作権チェックを実施することが大切です。
セキュリティを考慮した利用が必要
ChatGPTはプロンプトなどの情報をもとに作業を行うため、セキュリティー上のリスクがあると言われています。企業として利用する場合は、ChatGPTのAPI版の活用やChatGPTの利用に関する社内規定を作ることを検討しましょう。機密情報の入力を避けるなど使い方を定めるだけでも、セキュリティー面は大幅に強化されます。
ChatGPTのAPI版を利用するメリットは、プロンプトがAIに蓄積されないため、機密情報などの活用も行いやすいことです。このほかにもセキュリティー面を考慮したビジネス向けChatGPTもリリースされているため、方針にあわせて検討することをおすすめします。
マーケティング全体を管理する人材が必要
分析やペルソナ、コンテンツの作成はChatGPTで行えますが、マーケティング全体は人が管理・運用する必要があります。なかでも自社コンテンツがターゲットに与える心情を想像する作業は、人の繊細な感情が無ければ行えません。マーケティングの成果を最大化するためにも、全体の設計や調整を行う担当者を配置することが大切です。
ChatGPTでSNSマーケティングが手軽にできるようになったことで、全体の企画や設計、運用などの質によって成果が大きく左右される傾向にあります。短期間で効果を得るのであれば、マーケティング経験者の配置が必須です。十分な経験や知見が社内に無い場合はマーケティング専門企業を頼るなど、自社に合った体制を確立しましょう。
まとめ
今回は、SNSマーケティングにおけるChatGPTの基本的な利用法や注意点を、初心者の方でも分かるようにできるだけ詳しく解説しました。今後の記事では、ChatGPTを使ったより具体的なマーケティングの手法をご紹介する予定です。ChatGPTを上手く活用することで、マーケティング効果の最大化を目指しましょう。