時代の変化に合わせて、採用のトレンドも大きな変化の時期を迎えています。求職者の仕事の探し方も、以前とはまったく違うものに。必要な人材を必要な時期に確保するためには、新しい採用手法の導入をすることがポイントになると言えるでしょう。
本記事では、「2024年、最新の採用トレンドの解説と、新たな採用手法の取り入れ方」をご紹介します。いち早く採用のトレンドを把握し、早めの対策にお役立てください。
採用の現状と採用トレンドの推移
まずは国内企業の採用状況の現状と、採用トレンドの推移について確認しておきましょう。
人材確保は難しい状況が継続中
(出典 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37525.html)
2023年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.27倍と、まだまだ人材確保が厳しい状況が継続しています。最も採用が難しかったバブル期の求人倍率は約1.46倍。その頃に比べると比較的採用しやすい状況ですが、求職者が企業を選ぶ「売り手市場」は、これまで約10年ほど継続している状況です。
そんな状況のなかでも、トレンドに合わせた採用手法を取り入れ、順調に採用できている企業はもちろん存在します。社会や求職者の価値観の変化に伴って、トレンドの採用手法も近年大きく変わりつつあるここ数年。採用トレンドの変化をいち早く把握し、新しい手法を取り入れることが採用成功への近道となると言えます。
求職者の価値観、3つの変化
コロナ禍などを通して働き方が変わり、テクノロジーの進化によって求職者の価値観も年々変わり始めています。求職者の価値観における、代表的な3つの変化は以下の通りです。
・リモートワークが人気
在宅やシェアオフィスなどでの就業スタイルが浸透したことで、リモートワークを希望する求職者も増えつつあります。IT関連業種などの大手企業を中心に、現在もリモートワークを活用する組織は少なくありません。ライフワークバランスを大切にする価値観が拡大する中で、今後もリモートワーク人気の傾向は継続することが予想されます。
・スマホでの求人サービス閲覧が主流
以前からスマホを活用した仕事探しが行われてきましたが、近年は利便性が飛躍的に向上し、スマホ活用はさらに加速しています。新卒・中途を問わず求職者の多くは、スマホアプリなどを通して求人サービスを活用する昨今。企業採用ページをスマホ対応にするなど、求職者の価値観に合わせた募集方法への見直しが必要となってきています。
・SNSを活用した情報収集が活発化
スマホ活用と関連して、SNSを通して仕事探しをする求職者も増えつつあります。それに伴い、InstagramやTicktokで採用活動を行う企業も、年々増えている状況です。拡散されやすくより親しみやすいSNSでの仕事探しは、ここ数年の新しい採用トレンドだと言えるでしょう。
採用手法は外注+内製化の時代へ
これまでの採用手法は外注のみが基本でしたが、最新の採用は外注+内製化のミックスがトレンドとなっています。以前は求人広告や人材紹介、ハローワークなど外部への依頼が一般的。しかし、採用できても定着率が悪いことやコストパフォーマンスが課題となっていました。そのため、より求職者との距離を縮めて定着率を高める観点からも、SNS活用や企業採用ページなどに力を入れる企業が増える流れとなっています。
また採用の内製化は、長期的な採用コストを抑えられる点も代表的なメリットのひとつ。採用のDX化が叫ばれるようになった理由には、このような背景もあります。これらの理由から、求人広告などの活用とともに、内製化を進める企業が増えている状況です。ぜひ採用トレンドのなから、自社に合ったものを選定し、まずはお試し程度に、楽しみながら活用してみることをおすすめします。
【2024年】最新の採用トレンド
ここでは、2024年最新の具体的な採用トレンドを確認しておきます。
リファラル採用
社員の知人などを採用することを目的とした、紹介中心の採用手法です。社員自身が採用のターゲットに合致する知人などに声を掛け、自社への入社を促します。リファラル採用のメリットとしては費用を抑え、定着率の高い人材を集められること。デメリットは紹介者との人間関係に、業績や定着期間が左右される点にあります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、求人サイトなどを活用して求める人材に直接アプローチする手法です。スカウト機能が付いている求人・就活サイトや、職種によってはSNSを通したアプローチもできます。応募に至らない潜在層に訴求し、求める人材をピンポイントで採用できる点が代表的なメリット。一方で採用に至る確率が比較的低いことが、デメリットだと言えます。
SNSを活用した採用活動
InstagramやTicktok、YouTubeなどのSNSを活用した採用は、取り入れる企業が増えつつある採用手法のひとつです。仕事内容や企業風土をPOPに発信できるので、企業をより身近に感じさせ、親近感を与えられることが大きなメリット。効果を上げるためには時間と知識がある程度必要になることが、活用するうえでのデメリットだと言えるでしょう。
伊藤忠商事やJAL、ミサワホームなどの大手から、幅広い中小企業までが活用し始めているSNS採用。将来的な採用コストを大幅に削減し、求職者の入社意欲を高められることが最大のメリットだと言えます。効率良く成果を出したい場合には、企画広報を得意とする専門家への相談もおすすめの方法です。
自社採用ページの強化
自社採用ページを新たに開設したり、時代に合わせた雰囲気にリニューアルする企業も増えてきています。直接の応募は少ないものの、求職者が応募前に必ず確認するのが自社採用ページ。企業のイメージを決める、顔といっても過言ではありません。
そんな自社採用ページ強化のメリットは、求職者の組織理解を深め、良いイメージを印象づけられることにあります。また、SNS同様長期的な採用コストを削減し、採用活動の軸にすることが可能です。デメリットとしては、多くの場合外部への依頼が必要になるため、一次的な費用が発生することだと言えます。効果的な採用ページを作るためには、自社にあった依頼先の選定が非常に大切になるでしょう。
トレンドの採用手法を選ぶポイント
では、トレンドの採用手法を自社に取り入れる際には、どのように選べば良いのでしょうか。ここからは、採用手法の選定方法について解説します。
採用の目的や計画を軸に選ぶ
「どんな人材が必要か」「いつまでに欲しいか」など、採用の目的や計画にあった手法を選ぶことがおすすめです。採用手法の選定に当たっては、まずは採用の方針を決めることから始めると良いでしょう。
そのうえで、ターゲットに合った採用手法を選定します。たとえばピンポイントの能力を有する人材が必要な場合は「ターゲットリクルーティング」。新卒から中途の幅広い層にリーチしたい場合は「SNS採用」を活用することが最適です。採用計画を踏まえたうえで、いくつかの採用手法を複合的に活用することも良い方法でしょう。
将来の採用活動を見越して選定する
すぐに採用に繋がる手法を活用しながら、将来の採用が有利になる為の準備をしておくことも大切です。トレンドの採用手法のなかでも「SNS採用」は、多くの求職者の目に触れるためには一定の期間が必要になるもの。社内の人材のみでSNSを育てるならば、尚更長い目でみておく必要があります。
しかし、早い時期から着手しておけば、将来的にはSNS経由で応募があったり、SNSの閲覧をきっかけに採用に繋げることも可能です。同様に「自社採用ページ」の強化もすぐに効果を実感しにくい反面、長期的には採用活動を有利にする効果があります。直近の効果だけに捕らわれず、先を見越した計画・準備をしておくことが非常に重要です。
従来の採用手法とミックスする
従来の採用手法である求人広告や人材紹介と、トレンドの採用手法をミックスして活用することもおすすめの方法です。たとえばSNSで求人の告知をすることで、求人広告の閲覧数を高めたり、人材紹介に依頼しながら、自社でもターゲットリクルーティングを進めるなど。手法をミックスすることで相乗効果を生むことが期待できます。
また、InstagramやTicktokを開設し、自社採用ページとの相互リンクを貼る方法なども、採用情報を求職者に届けるうえでの有効な手段のひとつ。従来の手法やトレンドの手法を上手く組み合わせて活用することで、自社採用の強化と仕組み化を進めることができるでしょう。
トレンドの採用手法を上手く取り入れる方法
自社で活用する採用手法が決定したら、実際に組織に浸透させることが大切です。ここでは、トレンドの採用手法を上手く取り入れるための、活用のポイントをご紹介します。
優先順位をつけて活用計画を立てる
採用計画に基づいて、どの採用手法の活用から着手するべきなのか、優先順位をつけておくことが重要です。たとえば「ターゲットリクルーティング」を活用することが決まっても、採用ページに説得力が無ければ応募を取りこぼす場合があります。まずは採用ページの強化から着手し、その後ターゲットリクルーティングを進める形の方が良いでしょう。このように、それぞれの採用手法の効果をより高められるよう、活用計画を事前に立てておくことをおすすめします。
できることから少しづつチャレンジしてみる
すぐに採用が必要でない場合なら、将来に向けてできることから挑戦してみることをおすすめします。なかでもスマホなどを使ったSNSの運用は、ハードルの低い採用手法のひとつです。他社の採用アカウントなどを参考にしながら、自社にあった内容を発信してみるのも良いでしょう。チャレンジしてみることで、「自社でできること」と「できないこと」を明確にすることが可能です。
外部のパートナーを頼ってみる
採用手法を活用してみて「自社でできないこと」があれば、外部の専門家へ依頼することも良策です。なかでも「SNS採用」や「採用HPの強化」には、専門的なスキルやテクニックが必要となります。自社に合った会社へ依頼することで、SNSの発信力を高めたり、採用HPを通して自社をブランディングすることも可能です。「自社でできない部分」や「手を掛けられないこと」を外注することは、効率的な採用体制の強化にも繋がるでしょう。
求職者の価値観を捉えた採用活動を
本記事では、「2024年、最新の採用トレンドの解説と、新たな採用手法の取り入れ方」をご紹介しました。ご紹介したなかでも、SNSや採用ページなどの強化は、早めに着手すればするだけ効果を高められるものです。
私たちnora株式会社でも、SNS活用のマーケティング支援や採用ページの強化などを、企業にあったカタチでご提供しています。「今後は採用に力をいれていくぞっ」とお考えの企業担当者様は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。