SNS採用とは?メリットとデメリット、運用開始までの手順をご紹介します。
SNS採用は多くの企業が取り入れ始めている、新しい採用のカタチです。InstagramやX(Twitter)、Tiktokなどを活用したSNS採用は、採用コストを大幅に減らせる可能性があることもメリットのひとつ。できるだけ早く準備を整えて運用を始めてみることが、SNS採用を成功させる近道です。
本記事では、SNS採用の概要とメリット・デメリット、運用開始の基本的な手順を解説します。自社でのSNS採用の導入検討の際に、ぜひご参考ください。
SNS採用とは?
まずはSNS採用とはどのようなものなのか、SNS採用の概要と現状について確認します。
SNS採用の概要
SNS採用とは、InstagramやX(Twitter)・TiktokなどのSNSを活用した採用手法のことを言います。一般的に娯楽として使用されるSNSを「採用」に活用することで、さまざまな利点を得られるのがSNS採用ならではの魅力です。地場の飲食店から大手メーカーまで、規模や業種を問わず活用できることから、多くの企業が導入し始めている採用手法となっています。
SNSの高い利用率によって普及
SNS採用が普及した理由は、2024年時点で国内に約8千万人ものユーザーが存在するなど、SNSの市場規模の拡大が一因となっています。また、幅広い年代のユーザーに直接メッセージを届けられることも、企業が注目するメリットのひとつ。採用のメインターゲットとなる「Z世代」と呼ばれる若年層の利用率が非常に高いことも、SNS採用が広がった要因だと考えられます。
ちなみにZ世代とは、1990年後半〜2010年代生まれの世代を指し、2024年時点では13歳〜27歳くらいまでの年代の俗称です。有名人でいえば藤井聡太さんや芦田愛菜さんなどが、Z世代の代表格。どの企業も欲しい若年層にリーチできることも、SNS採用を活用するうえでの魅力です。
(出典)株式会社 ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
大手~中小企業まで成功事例も多数あり
早くからSNS採用を導入した企業では、すでに多数の成功事例も報告されています。講談社やテレビ東京、伊藤忠商事やソフトバンク、サイバーエージェントなど大手企業でもSNS採用で一定の成果がでており、現在も継続した運用が実施されている状況です。企業のSNSアカウントを検索すれば誰でも閲覧できますので、運用時の参考にするのも良い方法でしょう。
また、大手企業ばかりでなく、中小企業・個人店においても成功事例は多数存在します。身近なところならば地域の飲食店でも、SNS採用でスタッフを集めていることも少なくありません。正社員〜アルバイトと幅広い雇用形態の採用はもちろん、規模に関わらず活用できることから、SNS採用を始める企業は年々増え続けています。
SNS採用に活用できる代表的なサービス
SNS採用で活用されている主なサービスは、以下の5つです。自社の特色や採用ターゲット、企画の内容に合わせて活用前に選定を行いましょう。
Instagramは2019年6月時点で3,300万人を越えるユーザー数を誇る、国内最大級のSNSサービスです。ユーザー層は20〜40代が中心で、女性ユーザーが比較的多い傾向にあります。また、写真や短い動画での発信が中心であるため、トレンド感のある視覚的なメッセージ訴求に向いているSNSです。リアルタイムで配信できるライブ機能も利用できるなど、幅広い使い方ができることもInstagramの大きな特徴だと言えます。
X(Twitter)
X(Twitter)は2023年時点で、国内ユーザー数が6,600万人を越えるSNSサービスです。ユーザー層は20代〜40代が中心で、匿名で気軽に投稿できることが最大の特徴となっています。基本的には全角140文字以内の短文での発信となっており、有料サービスに申し込めば長文での表現も可能です。匿名ユーザーが多く、趣味や価値観に共感して繋がるユーザーが多いため、ターゲットや価値観を絞っての訴求が効果的なSNSサービスだといえます。
Tiktok
TikiTokは2022年時点で、国内ユーザー数が1,700万人以上と言われているSNSサービスです。
ユーザー層は10代〜20代が中心で、いわゆるZ世代が多く利用する若年層の象徴的なサービスとなっています。仕様はショート動画のみの投稿となっており、ダンス動画など音楽に関連したPOPな訴求が人気を集める傾向にあるのも特徴のひとつです。企業イメージを明るくPOPに表現する投稿など、楽しい雰囲気を訴求することに向いたSNSサービスとなっています。
Facebookは2023年7月時点で、国内のアクティブユーザー数が2,600万人を越えるSNSサービスです。ユーザー層は30代〜50代が中心で、基本的には実名制であるためビジネス利用されることの多いSNSとなっています。写真・動画に加えて長文の発信も可能ですので、中途・ハイクラス層に向けた幅広い情報訴求に適したサービスだと言えるでしょう。
YouTube
YouTubeは2023年10月時点で、国内ユーザー数が7,100万人以上となった国内最大のSNSサービスです。ユーザー層はZ世代から50代以上まで幅広く、あらゆるテーマについて動画で深く掘り下げて発信できることがサービスの大きな特徴となっています。「仕事との向き合い方」や「働くうえでの考え方」など、ノウハウを提供しながら企業イメージを訴求することも採用戦略のひとつ。自社を深く知って貰うために、さまざまなアプローチが可能なサービスです。
SNS採用を活用するメリット・デメリット
SNS採用の導入を検討するに当たり、メリット・デメリットを確認しておきましょう。
SNS採用を活用するメリット
SNS採用を活用する、代表的なメリットは以下の3つです。
採用コストを抑えることができる
自社SNS経由で採用ができれば、大幅に採用コストを削減することができます。有料の求人サービスを介して採用活動を行うことが一般的ですが、自社SNS採用が機能すれば求人掲載に掛かる費用は一切不要です。採用に必要なコストを削減することで、社内教育や自社サービスへ更なる投資をすることも可能になるでしょう。
メッセージを広く多くの求職者へ伝えられる
SNS採用は、広く多くの求職者へ情報を届けられるメリットがあります。単なる求人募集の目的だけではなく、企業風土自体を好きになって貰うことができれば、採用活動とともに組織の認知度UPに繋げることも可能です。広告戦略の一環としても活用できるSNS採用アカウントを育てれば、将来的には幅広い目的で運用できる組織の武器にもなり得ます。
ミスマッチを防ぐことができる
SNS採用の活用は、企業HPや求人媒体のみでは知りえない社内の雰囲気や、経営方針を身近に知ることができるため、応募の際のミスマッチを防ぐ効果もあります。いくら応募が集まっても、採用ターゲットに沿っていなければ意味がありません。応募者対応にも手が掛かってしまうことを防ぐ意味でも、SNSを活用した訴求は非常に効果的です。
SNS採用を活用するデメリット
SNS採用を活用する、代表的なメリットは以下の3つです。
運用に当たっての手間が必要
SNS採用を導入するに当たっては、運用前の準備を含めたある程度の手間が必要になります。最後の章でお伝えする、SNS採用の導入手順とともに、一定の知識を学んでおくことも非常に大切です。また、SNSで発信するだけではなく、検証・修正し、改善することも、効果を上げるうえで重要な作業になります。メリットも大きい分、相応のリソースが必要となることも事前に理解しておきましょう。
効果がでるには一定の時間が掛かる
SNS採用を導入しても、ほとんどの場合すぐには効果がでないものです。応募や問い合わせを集めるまでには、3ヵ月〜1年程度掛かる場合もあることを把握しておく必要があります。短期的に採用が必要な場合は有料求人サービスなども併用しながら、中~長期的な視点で育てる視点を持つことが大切です。
炎上する場合もある
不特定多数の目に触れる性質があるため、自社SNSでの発信内容によっては批判を浴びる可能性もあります。多くの場合はグレーゾーンであるモラルや価値観に対する批判となるため、対処方法や対応が必要なラインをあらかじめ設定しておくと安心です。SNSごとの特性を理解したコンテンツ制作が、炎上を押さえた効果的なメッセージ訴求に繋がります。
SNS採用導入の手順
最後に、SNS採用を導入するための基本的な手順を解説します
採用ターゲットや人数、目標期間を明確にする
まずは「いつまでに」「何人」「どんな人物が必要か」を明確にすることが大切です。採用ターゲットの年齢層やスキル、性格などをできるだけ細かくイメージし、軸となる人物像(ペルソナ)を設定しておきます。そして、その人材がいつまでに入社すれば良いのかを明らかにしておき、緊急性が高い場合は有料求人サービスなどの併用を検討すると良いでしょう。
発信するコンテンツの方向性を決める
採用のターゲットに届くよう、発信するコンテンツを決めていきます。大切なことは採用ターゲットの心が動く内容を目指すことです。「みんな」ではなく「あなた」に届ける意識をもつことで、応募や問い合わせに繋がるコンテンツ作成が可能になります。他社のSNSやトレンドの投稿も参考にしながら、届けたいメッセージが伝わるコンテンツ制作を目指しましょう。
活用するSNSを選定する
採用ターゲットの年齢層や、コンテンツに合ったSNS選定を行います。できればInstagram×YouTubeなどのように、複数のSNSを掛け合わせた運用が効果的です。POPで親しみやすい側面を伝えるSNSと、リアルな仕事情報を伝えるSNSを分けるなど、組織に合わせた工夫をすることでメッセージが伝わりやすくなるでしょう。
運用フロー・体制を整える
発信する内容や方法が決まったら、誰がどのように運用するかを決めておきます。SNSで発信すれば終わりではなく、コンテンツ制作・発信・効果検証・修正とPDCAを回し続ける運用担当が必要です。可能であれば、ある程度SNS運用の知見や経験がある人物を、担当者にすることをおすすめします。もし経験や知見が十分でない部分があれば、外部専門家へ協力を依頼するのも良策でしょう。
SNS採用は、組織の資産になります。
本記事では、「SNS採用の概要とメリット・デメリット、運用開始までの手順」をご紹介しました。今後も導入企業が増える見込みのSNS採用は、できるだけ早めに運用し、まずは経験してみることが大切です。そして、運用を通してお困りのことがあれば、私たちnora株式会社へお気軽にご相談ください。
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