ChatGPTを活用したSNSマーケティング≪実践編≫!プロンプト例や精度を上げるテクニックをご紹介

ChatGPTを活用したSNSマーケティング≪実践編≫!プロンプト例や精度を上げるテクニックをご紹介

前回の記事では初心者の方に向け、「SNSマーケティングにおけるChatGPTの基本的な利用法や注意点」を解説しましたが、今回はいよいよ実践編です。ChatGPTを使ったSNSマーケティングの生成物の精度を左右するのが、プロンプト(指示文)の質。そのプロンプトの質を向上させる作成方法や作成のコツを、生成AIを使わない手書きの記事で解説します。

本記事では、SNSマーケティングで使えるChatGPTのプロンプト例とともに、生成物の精度を上げるテクニックをご紹介します。

ChatGPTのプロンプト作成~生成の方法

まずは、ChatGPTへ依頼する際に必要な、プロンプト(指示文)の基本的な作成方法を解説します。

プロンプトに基本要素を入力

プロンプト(指示文)は、できるだけ具体的に入力することが大切です。できるだけ詳細なプロンプトを作成するために、下記にある3つの基本要素を盛り込むことを意識してみてください。

①命令:ChatGPTなどの生成AIに依頼したい内容を記載します。

「文章を作成して欲しい」「要約して欲しい」「いくつか案が欲しい」などが、命令文の一例です。ChatGPTに依頼する内容を、プロンプトの冒頭に端的にわかりやすく記載しましょう。

②文脈:生成物が意図した内容となるよう、必要な前提情報を提示しておきます。

「20代の会社員に向けた内容で」や「30代の営業職志望を惹きつけるデザインで」なども前提条件の一例です。また「あなたはSNSマーケティングのプロです」などと、ChatGPTの立場を定義づける方法もあります。あらかじめ立場を定義すれば、生成物の質を向上させることができます。

③出力形式:出力される生成物の、文字数や回答形式などを定義しておきます。

「250文字程度の口語体で」や「草案をタイトルと内容に分けた表の形式で」など、必要に応じた出力形式の指定が可能です。出力形式についてもできるだけ詳細に記載すればするほど、求める生成物を少ない手順で得やすくなるでしょう。

プロント内の指示は、#または”””で区切る

指示文内の命令や前提、出力形式や参考情報などが互いに混同しないよう、それぞれを#または”””で区切るようにします。例としては以下の様な形式です。

≪例≫

あなたはプロのWEBマーケターです。

以下の仕様に従って、マーケティング案を立案してください

#前提となるテーマ:Instagramを活用した集客方法

#目的:新規顧客の獲得

#ターゲット:周辺住民を中心とした市内全域

#出力形式:提案ごとにタイトルと詳細について出力してください。

詳細は200文字程度にまとめてください。

生成物のチェックと修正

ChatGPT内でプロンプトを作成し、送信することで指示が実行されます。生成物ができたら、必要な情報が揃っているかをチェックすることが大切です。人間と同様、指示の仕方が曖昧だったり、依頼が伝わりにくい内容だと、想定した生成物が得られないこともあります。ChatGPT側のミスも少なからず起こるため、生成物の確認を丁寧に行うことを心がけましょう。

ChatGPT×SNSマーケティングのプロンプト例

では、SNSマーケティングで使えるChatGPTのプロンプト例を、いくつかのケース別にご紹介します。ここでご紹介するのはあくまで例ですので、求める生成物に合わせてカスタムしたり、ChatGPTの特徴を掴むのにお役立てください。

企業や商品の分析

≪プロンプト例≫

あなたは、ヘアケア市場に強いマーケティング専門家です。

20代・30代の女性向けヘアケア商品のリリースにあたり、競合データを分析してください。

#対象期間:2018年〜2024年の7年間。

#対象データ:競合であるA社とB社の売上データを収集し、予測データを算出してください。

#対象商品:A社=〇〇、〇〇B社=▲▲、▲▲

#出力形式:表形式で競合分析

– 1列目に競合企業名を記載し、2列目に対象商品の概要、3列目に商品の強みと弱み

ペルソナの設定

≪プロンプト例≫

あなたは顧客分析の実績が豊富な、プロのマーケターです。下記の条件や制約に従って、 ペルソナ案の作成をお願いします。

#目的

〇〇サービスのユーザーペルソナを、具体的にイメージしてください

# 制約条件

・20代~40歳女性

・ペルソナの各項目は、論理矛盾や論理飛躍のないものにしてください。

# 出力形式

・ユーザーの性別・年齢・家族構成・職業・年収・趣味・生活圏

・ユーザーが抱える課題や悩み

SNSマーケティング戦略案

≪プロンプト例≫

あなたはSNSを活用したコミュニケーションや、ターゲットとのエンゲージメントを深めるのが得意なSNSインフルエンサーです。SNSを活用した顧客獲得戦略案の立案をお願いします。

#目的

・〇〇サービスの新規顧客獲得

該当サービスURL(~)

# 制約条件

・ターゲットは18歳~25歳の男性

・SNSはInstagram・X・YouTubeを想定

# 出力形式

下記3項目を表にまとめて出力してください。

・ターゲット設定(ターゲットの課題や悩み、生活圏、職業)

・ターゲットの課題を解決するコンテンツ案

・SNSマーケティング戦略の具体的な解説

コンテンツの作成(画像・バナー)

≪プロンプト例≫

あなたはターゲットに効果的に訴求するテキスト作成も得意な、広告デザイナーです。SNSで利用する新商品の告知に有効な、商品バナーを作成してください。

#目的

・新商品の拡売

商品情報URL(~)

# 制約条件

・SNSで利用するのに効果的なバナー

・ 右側に新商品画像

・ 左側に30代主婦層に訴求するキャッチコピー

・ POPで温もりのあるデザイン

・ブルーベース

# 出力形式

・ 1200×300ピクセルの横長バナー

生成物の精度を上げるテクニック

最後に、ChatGPTを活用した生成物の精度を上げる、3つのテクニックをご紹介します。

具体例を示す

ChatGPTに依頼を出すプロンプトに、完成見本など具体例を示すことも有効な手段です。希望の形式がわかる文章や画像、表やデザインなどをプロンプト内で提示すれば、求める生成物の精度が格段に上がります。

これは、人間に対して依頼する際に事前に見本を共有しておくと、納品物の精度が上がるのと同じ仕組みです。完成イメージがあれば言葉で伝えることもできますので、プロンプト作成の際に色々な方法を試してみることをおすすめします。

人間ならではの能力との融合を図る

ChatGPTを活用したSNSマーケティングは非常に便利ですが、まだまだミスもあり、創作バリエーションにも偏りがある部分があります。そのため、文章などテキストを生成した際はファクトチェックと表現の修正を、画像やデザインを生成した際には、バランスなどのチェックと修正が必要です。すべてを任せきりにせず、人間の感性や創造性を組み合わせることで、ChatGPTとのより良い関係性を築くことができます。

SNSマーケティングを理解する

ChatGPTを活用してSNSマーケティングを行う場合は、同時にSNSマーケティング自体の理解を深めることも重要です。ChatGPTにSNSマーケティング戦略やペルソナ設定を依頼することは可能ですが、必ず効果に繋がるものではありません。生成AIは正解や効果を確約するものではないことを理解し、人間側の知識や技術を活用してブラッシュアップすることが大切です。

SNSマーケティングの知識は、運用しながら理解を深めることもできますが、できる限り効率良く運用したい場合は外部パートナーと協力する方法もあります。私たちnola株式会社も、マーケティングを専門とする企業の一社です。マーケティングに関するご協力やサポートが必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回は、SNSマーケティングで使えるChatGPTのプロンプト例とともに、生成物の精度を上げるテクニックをご紹介しました。ご紹介したプロンプト例を参考にして、今後ChatGPTの運用にお役立てください。

ちなみに、ChatGPTに依頼する際には、できるだけ丁寧な言葉でプロンプトを出すことが個人的なこだわりです。今後ビジネスの大切なパートナーになるであろうChatGPTの特徴を理解し、愛情を持って付き合うことも、生成物の精度を向上させる秘密のテクニックだといえます。ぜひ実際の活用を通して、自社に合ったChatGPTとの付き合い方を探してしてみてください。