Geminiの最新アップデートを解説!
具体的な活用例もご紹介します
「Gemini」とは、Googleが開発した生成AIアシスタントです。2025年春には大幅なアップデートが発表され、業界を問わず幅広いユーザーからの注目が集まっています。機能の進化に伴い、日々のビジネスでの活躍も期待されているGemini。今回は直近で発表されたアップデートのうち、代表的な6つの機能をご紹介します。
本記事ではGeminiの最新アップデートを、具体的な活用例とともに解説します。ぜひ使えそうな機能があれば、日々の業務に取り入れてみることをおすすめします。
「Gemini」とは?
まずは、Geminiの概要と使い方について整理しておきます。
「Gemini」とは?
Geminiは、Googleが開発を手がけたAIアシスタントです。リリース当初は「Bird」という名称で親しまれていましたが、2024年2月に名称を「Gemini」へと変更しました。定期的なアップデートによる機能向上を足がかりに、年々ユーザーを伸ばしつつある注目のAIサービスのひとつです。
Geminiの強みは、画像やテキスト・音声などを複合的に処理したり、それぞれのデータをもとに総合的に判断できる機能性の高さにあります。この機能は「マルチモーダル」と呼ばれ、複雑な処理を通して、高度な理解力と豊かな表現力を実現しています。
また、Googleの各種ツールとの相性が良い点も、Geminiの大きな強みです。ビジネスでの利用頻度が多いGoogleツールとの互換性が高いことで、GeminiとGoogleツールを融合させた多様な使い方が可能になります。カレンダー登録やメール文書作成などの作業も行いやすいため、上手く使いこなせば大幅に業務効率を向上させることができるでしょう。
「Gemini」の料金
Geminiには基本無料で利用できるプランと、生成物の質や処理速度の向上、複数タスクの処理を求める方向けの「Gemini Advanced」という有料プランがあります。用途やシーンに応じてプランを選ぶことができるため、自社に合ったものを選定することが非常に大切です。
プラン | 言語モデル | 料金 |
Gemini | Gemini Pro | 無料 |
Gemini Advanced | Gemini Ultra | 月2,900円(税込) |
「Gemini」の起動方法
Geminiは、以下のような方法で起動することができます。
・PC ⇒gemini.google.comにアクセス
・iPhone⇒Gemini アプリを起動
・Google Pixel( 9 以降)⇒「OK Google」と端末に声をかける
その他、下記方法でも利用可能
※電源ボタンを長押し
※Google アプリで Gemini をタップ
※Gemini アプリを起動
・それ以外のAndroidスマホ⇒Gemini アプリを起動
Geminiの最新アップデート6選
Geminiの基本情報を理解したところで、ここからは最新アップデート6選をご紹介します。
①「Gemini 2.5 Pro Preview」の提供
2025年6月Googleは有料版のGemini Advancedで利用できる新バージョンとして、「Gemini 2.5 Pro Preview」をリリースしました。コーディング支援・長文要約・ドキュメント解析・情報処理能力などがこれまでのモデルに比べて大幅にUP。このアップデートにより、生成AIのChatGPT-4oやClaude 3 Opusと同等以上の機能が備わり、ビジネスの場面で本格的に活用できるクオリティを実現しました。
▶利用可能な環境
★Gemini Advancedユーザーに優先提供
・Android(Geminiアプリ)
・iOS(Safari上のGemini)
・Chromeブラウザの拡張機能(PC)
▶具体的な活用例
・複数の業務資料から、結論や要点をまとめる
・特定のWebページを提示し、情報整理やまとめを生成する
・ソースコード(Pythonなど)のレビューや改善点、バグの洗い出し
②Gemini Liveでリアルタイムな支援が可能に
「Gemini Live」という新機能が搭載され、Geminiはチャットだけでなく、資格情報の共有と対話が可能なサービスとなりました。スマホ画面などを使い視覚情報を得られるようになったことは、非常に大きなアップデートです。具体的には、PCやスマホカメラなどの画面共有機能を活用し、視覚的な支援をリアルタイムで受けることができます。2025年5月中頃にリリースされた「Gemini Live」は、6月より一部ユーザー先行で提供が開始されている状況です。
▶利用可能な環境
★Gemini Advancedユーザーに優先提供
・Android(Geminiアプリ)
・一部iOS(Safari上のGemini)
▶具体的な活用例
・会議資料をスマホで映して、要点や課題をまとめてもらう
・スマホ設定画面を共有し、Geminiに操作案内を依頼する
・スピーチ練習を画面で映し、Geminiからのアドバイスを受ける
・購入した家電の操作方法を、説明書をスマホで映してGeminiに案内してもらう
③映像生成の質が大幅にアップ
出展:GoogleYoutube
Googleは最新の画像・動画の生成AIをリリースし、画像や映像の質を一気に向上させました。画像生成AIは「Imagen 4」・動画生成AIは「Veo 3」で、テキストのプロンプトをもとに、質の高い画像や映像生成を行うことが可能です。ビジネスの幅広いシーンでも活用できる機能であるため、マーケティングや広告などを中心した用途において、高いレベルでの活躍が期待されています。
▶利用可能な環境
・「Veo 3」⇒Gemini Advanced
・「Imagen 4」⇒Whiskのホームページ(https://labs.google/fx/ja/tools/whisk)よりGoogleアカウントでログイン
▶具体的な活用例
・Geminiなど生成AIが作成したイメージをもとに、Imagen 4で画像を作成する
・具体的な文章ストーリーをデータとして取り込み、Veo 3で動画化
・動画企画~画像・映像制作までをGeminiにすべて任せる
④Deep Research & Canvasを搭載
Geminiに「Deep Research」と「Canvas」が新たに搭載され、画像やメモ、PDFなどの異なるフォーマットや情報を、自動で整理したうえで、構造化や図解化ができるようになりました。データ分析や整理が得意な「Deep Research」と、ビジュアル化や音声化が得意な「Canvas」の特徴を組み合わせられるため、情報の整理〜ビジュアライズまでを任せることが可能です。現在、GeminiAdvanced契約者から順次提供が開始されています。
▶利用可能な環境
・Gemini Advanced契約ユーザーから順次提供
・Chromeブラウザまたは、Geminiアプリ内で利用可能
▶具体的な活用例
・プレゼン資料の企画~作成まで
・情報分析~マーケティング資料やIR資料の作成を任せる
・各種データをもとにした、論文や技術文書の図解
⑤Chromeと統合
GeminiがChromeブラウザと統合し、WEB上で見ている情報をベースとした利用が可能になりました。たとえば、表示しているWEB情報に関する質問や要約の依頼、要点抽出や翻訳、比較や分析などを簡単に行うことができます。Geminiに情報を読み取らせることなく、自然に利用することができるため、生成AIとより身近な距離で対話し、より効率の良い活用が可能となりました。
▶利用可能な環境
・Gemini Advancedプラン契約者向け
・PC版Chrome最新ブラウザ
・Chrome拡張機能
▶具体的な活用例
・ビジネス資料を閲覧しながら、その資料の要点整理を依頼する
・WEBニュースを閲覧中、事象や事件の背景を聞く
・英文のWEBページを閲覧中に、製品の概要と強みの抽出を依頼する
⑥iOS19・Apple Intelligenceとの連携
GeminiとSiriが連携したことで、iPhoneでも簡単にGeminiを活用できるようになりました。iPhoneユーザーもSafariやSiriを経由してGeminiの機能を一部活用できるようになります。Appleカレンダーやリマインダーとの自動接続も順次拡大されており、iPhoneでのGemini活用は今後も進みそうです。
▶利用可能な環境
・iOS 19以上
・Safariブラウザ
・Advancedプラン推奨(一部無料利用も可能)
・SiriはApple Intelligence機能を有効にすること
▶具体的な活用例
・iPhoneでSiriを起動し、「Geminiで要約して」などの依頼が可能
まとめ
本記事ではGeminiの最新アップデート6選を、具体的な活用例とともに解説しました。Geminiは今回のアップデートで、日常の業務や作業をしながらの利用が容易になり、さらに身近なものになりつつあります。各生成AIのアップデート情報収集を心がけながら、まずは興味のあるものから使ってみることが非常に大切です。この先の業務効率や業務品質の向上に向け、ぜひ今回の内容をお役立てください。