【中小企業向け】マーケティング戦略立案の基本手順。 効果的な実行手段とフレームワークを解説!

マーケティング戦略立案の基本手順。
効果的な実行手段と、フレームワークを解説します。

マーケティング戦略を自社で立案・実行する前には、基本的な手順をまずは把握しておきたいところです。目的にあわせて自由に企画・実行できることが、自社マーケティングの最大の魅力。マーケティング戦略を成果につなげる効果的な実行手段も、この機会に把握しておくことをおすすめします。

本記事では、マーケティング戦略立案の基本的な手順と効果的な実行手段、戦略立案に便利なフレームワークなどを解説します。

マーケティング戦略とは?

「マーケティング戦略」と言うと難しく感じてしまいますが、その意味は「顧客(市場)のニーズを分析し、価値提供する手段や方法を計画すること」です。より具体的に伝えるとすれば、「誰の」「どんなニーズに対して」「どんな価値を」「どのように提供するのか」を明らかにし、自社のマーケティングの方向性を決定することを指します。企業イメージから商品・製品・採用まで、幅広いものに活用できるマーケティング戦略は、マーケティング成功の鍵を握る重要なポイントです。

マーケティング戦略が重要なワケ

マーケティング戦略の立案は、今や大手企業だけでなく、多くの中小企業や地場の飲食店までもが活用しています。ここでは、幅広い業界で活用されるマーケティング戦略の重要性について解説します。

顧客のニーズを明確にできる

マーケティング戦略の立案〜実行を行うことで、自社の顧客ニーズを分析し把握することができます。顧客ニーズを明確にすることで、事業の方向性・商品やサービスの開発などに役立てることが可能です。自社が提供しているものが、「だれ」の「なに」に貢献しているかがわかれば、事業運営のモチベーションにもつながります。

自社の強み、戦い方がわかる

顧客とともに競合や自社分析も必要になるため、自社の強みを明確にすることができます。自社の強みがわかれば戦略実行の手段も立てやすくなり、今後の事業方針を見通せるようになることも大きなメリットです。時代の変化にも対応できる、自社なりの強さも身につきます。

効率良く売上UPを目指せる

ターゲットを深く理解し、自社を良く知ることで、事業の方向性が明確になり、効率良く売上の向上を図ることができます。経営層や企画層の方針が統一されるだけでも、事業運営に好影響を与えることが可能です。マーケティング戦略を組織内に浸透させることで、自社事業を大きく勢いづけることもできるでしょう。

マーケティング戦略立案、6つの手順

初めて自社でマーケティング戦略を立案する場合も、下記6つの手順を参考に行えば大丈夫です。まずは、マーケティング戦略立案の基本手順を把握しておきましょう。

①環境を分析する

まずは、現在自社が置かれている経営環境を、丁寧に分析します。経営環境は「内部環境」と「外部環境」にわけて分析するのが一般的です。「内部環境」は、自社がすでに持っているものや価値を指し、「外部環境」は自社を取り巻く周辺の環境のことを指します。

たとえば下の図のような形で項目を決め、項目に従って分析を進めていけば簡単です。分析を通して、マーケティング戦略に必要な「何を武器に戦えるか」「どんな場所におかれているか」を明確にしていきます。

内部環境外部環境
・総顧客数・資本金・拠点数・パートナー・アライアンス企業・自社サービスの特徴・自社サービスの種類、数・自社技術や特許・営業力や広報力・社会情勢・人口動態・経済、消費動向・業界の状況・競合サービス・顧客のリテラシー・事業に関わる法律など

②ターゲット層を決定する

自社の経営環境の分析を終えたら、次にターゲットを明確にしていきます。たとえば、顧客を性別・年代別にわけ、情報を一旦整理するとわかりやすいでしょう。集める情報は、金額や地域、これまでの購入商品や潜在的なニーズ・自社との相性など。集めたデータを総合して分析し、自社が狙うべきターゲットの絞り込みを実施します。

③自社のポジションを明確にする

自社とターゲットと競合、それぞれの特徴を踏まえ、自社の強みや戦うポジションを明確にします。他社に比べて優位な自社の特徴と、顧客のニーズとが重なるポイントが、最も戦いやすいポジションのひとつです。ターゲットや競合の分析を丁寧に行うことで、必然的に自社の強みを見出せることも、マーケティングの面白さだと言えます。このタスクではできるだけ客観的な視点で、自社の立ち位置を明確にしておきましょう。

④提供する価値を検討する

より深い顧客満足を獲得するためには、提供する価値に向き合っておくことも重要です。「提供する価値」とは、顧客が本質的に求めているニーズのことを指します。たとえば、高給フランス料理店での食事の機能は「食欲を満たすこと」ですが、顧客の多くが本質的に求めている価値は、「豊かな時間を過ごすこと」であることがほとんどです。

「豊かな時間を過ごすこと」という顧客の本質的なニーズがわかれば、豊かな時間を提供するための椅子や空間づくりなど、新たな価値提供が可能になります。自社が提供するサービスに対して本質的に求められていることを明確にすれば、SNSやWEBマーケティングをより効果的に実施できるでしょう。

⑤戦略実行に最適な手法を決める

最後に、自社が提供できるサービスや価値を、どのような形で顧客へ届けるかを決定します。マーケティングの一例を挙げても、SNS・WEB・チラシ・メディア・電話など、その手法は非常に多様です。マーケティング手法それぞれの特徴なども分析しながら、自社に最適な手法を見つけていきます。

注意したいのは、「手法を誤れば効果がでないこと」と「顧客視点を常に大切にすること」です。ターゲットとなる顧客にとって、どんな形が最も情報を受け取りやすいかを考察し、目的にあった手法の選択を行います。自社で客観的な選定が難しい場合は、マーケティングを専門に行う外部企業へ依頼するのも良い方法です。

マーケティング戦略立案に便利なフレームワーク

マーケティング戦略立案に便利な分析手法を、いくつかご紹介します。フレームワークを利用する際には手法を詳しく調べ、自社にあった形での活用をおすすめします。

SWOT分析(手順①)

マーケティング戦略立案の手順①「環境を分析する」で使えるのが、SWOT分析です。SWOT分析は、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つのカテゴリーで情報を整理することで、内部環境と外部環境を明確にすることができます。弱みの把握も、戦略立案において非常に重要なポイントです。

PEST分析(手順①)

SWOT分析と同様に、手順①「環境を分析する」で使えるのが、PEST分析というフレームワークです。「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4軸に従って整理することで、自社の外部環境を分析します。SWOT分析と組み合わせて活用すると、環境分析において非常に便利です。

STP分析(手順②③)

STP分析は、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の3軸で分析するフレームワークです。主に、ターゲットを明確にしたり、他社との差別化を図れるポイントを探るのに役立ちます。ターゲットが購買行動につながるポイントの考察もできるため、より深いターゲット設定や自社の強みを見つけることができるでしょう。

3C分析(手順③④)

3C分析は、「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3軸で分析するフレームワークです。顧客ニーズと競合の特徴をまとめることで、顧客ニーズのなかで競合の優位性がないポジションが明確になります。自社の強みも整理できるため、今後取るべき戦略を見つけることができるでしょう。

4C/4P分析(手順⑤)

4C分析は、「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客が払うお金)」「Convenience(顧客にとっての利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」の4軸で分析するフレームワークです。

一方で4P分析は、「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの軸で構成されています。「4P」は自社サービスを4つの要素で分析したもの。「4C」は同じ要素を、顧客側の視点で分析したものです。どんなサービスを、いくらで、どのように提供するかを戦略化するのに、非常に便利なフレームワークとなっています。

マーケティング戦略実行の手段

マーケティング戦略の立案が完了したら、どのように実行・運用していくかの手段を決定します。それぞれのメリット・デメリットを、手段選定の材料としてご参考ください。

自社リソースで実行する

自社のリソースのみでマーケティング戦略を実行するメリットは、社内にノウハウが蓄積できる点です。SNS運用など知識がなければ効果もでにくい手法も、失敗を重ねながら自社に合った手法を確立するための経験になります。

一方でデメリットとしては、一定の専門知識や経験が無ければ効果につながりにくい点です。専門知識のある人材が在籍している場合を除き、効果がでるまでは数年単位の時間がかかるケースも少なくありません。結果的に繋がらない場合は、無駄なコストとなり得ることも考慮しておく必要があるでしょう。

切り分けて外注する

自社で戦略立案し手法を決定し、実行・運用だけを切り分けて外注する方法もあります。SNSマーケティングなどを各マーケティングの専門事業者に任せることで、自社運用に比べて効果につながりやすいことが大きなメリットです。

デメリットとしては、手法を変更するごとに依頼先を探す必要がある点と、費用面にあります。たとえばSNSでのマーケティングで効果がでず、別のマーケティング手法へ変更する場合は、その手法に特化した外注先への依頼が必要です。効果が出ない場合は依頼先検討する必要もあることも、費用面とともに考慮しておきましょう。

マーケティングパートナーと実行する

ひとつのマーケティング手法に特化していない、総合的なマーケティングパートナーを選定し、トータルサポートを依頼する方法もあります。メリットは自社を深く知る担当者に、マーケティング全体を相談できることです。効果的な手法の選択や運用はもちろん、マーケティング戦略立案をサポートできる専門機関であれば、効果にも直結しやすいでしょう。

デメリットとしては外注の費用面と、依頼先探しの手間です。依頼先探しにお困りの際は、私たちnora株式会社へもご依頼いただけます。SNSやWEBを活用した企業ブランディングや広告戦略など、中小企業を中心に総合的なマーケティングサポートを提供する会社です。お悩みの部分があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

マーケティング戦略が事業の成長を決める

今回は、「マーケティング戦略立案の基本的な手順と、効果的な実行手段」について解説しました。できるだけわかりやすく簡潔に整理してみましたが、ご参考いただけたでしょうか。SNSやWEBなどを多くの方が利用する昨今では、マーケティング戦略の質が事業の成長を左右します。

この機会にマーケティング戦略・実行の方向性を今一度確認し、できるだけ早く動き出すことが成果につながるポイントです。知識面・運用面に不安がある場合や、いち早く効果につなげたい場合は、弊社への相談もご検討ください。幅広いマーケティングノウハウを活用し、組織やサービスをより魅力的にみせる発信を、心を込めてサポートいたします。

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